ポートフォリオに載せてはいけないNG例

エンジニア転職

目次

導入文

プログラミングスクールを卒業して転職を目指すとき、ポートフォリオは企業の採用担当者が最初に見る「あなたの実力」です。しかし、多くの未経験者が知らないうちに、採用担当者に悪印象を与えるNG例を作ってしまっています。

「スクールで学んだ内容をそのままポートフォリオにしたら、企業から評価されなかった」「転職活動が進まない」——こうした悩みを持つ方は、実は自分のポートフォリオが無意識のうちにNGパターンに陥っているかもしれません。

本記事では、28~35歳で完全未経験からプログラミングを学び始めた方が特に陥りやすい、ポートフォリオのNG例を具体的に紹介します。さらに、各NGパターンの改善方法も詳しく解説するので、採用担当者に「この人なら一緒に働きたい」と思わせるポートフォリオ作成の参考になるでしょう。

ポートフォリオは単なる「成果物の展示」ではなく、あなたの「学習プロセス」「問題解決能力」「実務レベルの思考」を示す重要な書類です。正しい知識を持つことで、転職活動の成功確度は大きく変わります。

このページを読むことで、あなたは以下のメリットを得られます:

  • 採用担当者が「避けたい」と感じるポートフォリオの特徴が明確になる
  • 自分のポートフォリオが実は危険な状態でないか、チェックできる
  • 改善すべき具体的なポイントと実装方法がわかる
  • スクール卒業後の転職活動で失敗するリスクを大幅に減らせる

それでは、ポートフォリオのNG例と改善方法について、詳しく見ていきましょう。

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ポートフォリオが採用に与える影響の重要性

未経験からの転職において、ポートフォリオが占める比重

プログラミング未経験から転職を目指す場合、採用担当者は「実務経験」を見ることができません。その代わりに、彼らが重視するのが「ポートフォリオ」です。

採用担当者の視点から考えてみると、未経験者の採用は「賭け」に近いものです。その賭けを少しでも確実にするために、彼らはあなたのポートフォリオを通じて以下の点を判断しています:

  • 基本的なプログラミングスキルは身についているか
  • 自分で問題を解決する能力があるか
  • 実務レベルの思考ができているか
  • 学習意欲と継続力があるか
  • チームで働く際に必要な「コードの読みやすさ」を意識しているか

つまり、ポートフォリオは単なる「作品」ではなく、あなたの「採用可否を決める判断材料」なのです。

スクール卒業後の転職成功率とポートフォリオの質の関係

プログラミングスクール各社の転職成功率は、一般的に70~90%程度と公表されています。しかし、この数字の背後には、ポートフォリオの質による大きな差があります。

実際のスクール卒業生の転職活動を見ると、以下のような傾向が見られます:

  • ポートフォリオの質が高い卒業生:初回応募から3~5社目で内定を獲得することが多い
  • ポートフォリオの質が低い卒業生:20社以上に応募しても内定を獲得できず、スクールのキャリアサポートで何度も修正を指導される

この差は、最初からポートフォリオのNG例を避けられるかどうかで大きく変わります。

ポートフォリオのNG例:コンセプト・企画段階での失敗

NG例1:スクールの教材そのままのアプリケーション

最も多いNG例が、「スクールで学んだ内容をそのままポートフォリオにしてしまう」というパターンです。

具体的には、以下のようなアプリケーションが該当します:

  • 「TODOアプリ」「ブログアプリ」「ECサイト」など、スクール教材で一般的なテーマ
  • スクール講師が教えた実装方法をそのまま使用
  • 機能追加がほぼなく、教材通りの構成

採用担当者が感じる印象:「このアプリケーションは、スクール教材で何千人も作っているもの。この人が何を学んだのか、何ができるのかが見えない」

採用担当者は、数多くの未経験者のポートフォリオを見ています。そのため、「スクール教材の典型例」はすぐに見分けられてしまいます。

改善方法:オリジナリティと「なぜそれを作ったのか」の明確化

改善するには、以下の2つのアプローチが有効です:

1. テーマの工夫:自分の経験や興味を反映させる

例えば、「TODOアプリ」であれば、以下のように工夫できます:

  • 「営業職での経験を活かし、営業活動の進捗管理アプリ」
  • 「前職での課題を解決するための、チーム用タスク管理ツール」
  • 「習い事の予約・管理を効率化するアプリ」

このように、「なぜこのテーマを選んだのか」という背景があると、採用担当者は「この人は問題解決のためにアプリケーションを作った」と認識します。

2. 機能追加による差別化

教材の基本機能に加えて、以下のような追加機能を実装します:

  • ユーザー認証機能(複数ユーザーでの使用を想定)
  • データの統計・分析機能(グラフ表示など)
  • 外部APIとの連携(天気情報、地図情報など)
  • モバイル対応(レスポンシブデザイン)

これらの機能追加により、「スクール教材+自分の工夫」という構成が明確になり、採用担当者に「学習内容を実務的に応用できる人」という印象を与えられます。

NG例2:市場ニーズを無視した「作りたいもの」だけの企画

次のNG例は、「自分が作りたいものを作った」というアプローチです。

例えば:

  • 「ゲーム」「アニメーション」など、実務性が低いもの
  • 「個人的な趣味に特化したツール」で、汎用性がないもの
  • 「複雑な機能を詰め込んだが、実装の質が低いもの」

採用担当者が感じる印象:「この人は、実務では何ができるのか見えない。市場や顧客ニーズを意識した開発経験がなさそう」

改善方法:「誰のための、どんな課題を解決するのか」を明確にする

ポートフォリオの企画段階で、以下の質問に答えられるようにします:

  • ユーザーは誰か?(例:営業職、フリーランス、学生など)
  • どんな課題を解決するのか?(例:営業活動の時間短縮、スケジュール管理の効率化など)
  • 既存のツールと何が違うのか?(例:より直感的、より低コスト、より高速など)
  • 実装の難易度は適切か?(スクール卒業レベルで実装可能か、それとも過度に複雑か)

この「企画思考」を持つことで、採用担当者は「この人は、実務で必要な『なぜ』を考えながら開発できる」と判断します。

ポートフォリオのNG例:実装品質での失敗

NG例3:エラーハンドリングが不十分なコード

次に多いNG例が、「正常系のみを実装して、異常系を考慮していない」というパターンです。

具体的には以下のような状況が該当します:

  • ユーザーが予期しない入力をしたときにエラーが発生する
  • ネットワーク通信に失敗したときの処理がない
  • データベースが満杯のときの処理を考慮していない
  • 例外処理(try-catch)がほぼ使用されていない

採用担当者が感じる印象:「テストが十分でない。実務経験がないことが丸わかり。本番環境では使えないコード」

実務では、「正常に動く」ことは当たり前で、「異常系にどう対応するか」が重要です。スクール教材では正常系のみを教えることが多いため、自分で補う必要があります。

改善方法:異常系を意識した実装とテスト

改善するには、以下のステップで異常系を実装します:

1. エラーハンドリングの実装

例えば、APIからデータを取得するコードであれば:

  • ネットワークエラー時のメッセージ表示
  • タイムアウト時の再試行処理
  • 無効なレスポンス時のバリデーション

2. バリデーションの実装

ユーザー入力に対して:

  • 空文字列のチェック
  • データ型の確認
  • 長さや範囲の検証

3. テストコードの作成

正常系と異常系の両方をテストする:

  • ユニットテスト(関数単位のテスト)
  • 統合テスト(複数の機能を組み合わせたテスト)

テストコードがあると、採用担当者は「この人は品質を意識している」と判断します。

NG例4:コードの可読性が低い(変数名、コメント、構造)

もう一つの実装品質のNG例が、「コードが読みにくい」というパターンです。

具体的には:

  • 変数名が「a」「b」「data」など、意味不明
  • 関数が長すぎて、何をしているのか理解しにくい
  • コメントがほぼなく、コードの意図が不明
  • インデントや改行が統一されていない
  • グローバル変数を多用している

採用担当者が感じる印象:「このコードは、本人以外が保守できない。チーム開発には向かない」

実務では、複数の人がコードを読み、修正し、改善します。そのため、「他の人が読んで理解できるコード」は必須スキルです。

改善方法:可読性を高めるコーディング規約

改善するには、以下のポイントを意識します:

1. 変数名と関数名の工夫

悪い例:

  • const a = 10;
  • function fn(x) { … }

良い例:

  • const maxRetryCount = 10;
  • function calculateTotalPrice(items) { … }

2. 関数の責任を明確にする(単一責任の原則)

1つの関数は1つのことだけをするように設計します。

  • 「データ取得」「データ加工」「表示」は別の関数に分ける
  • 各関数は20~30行程度に抑える

3. 意味のあるコメントを追加

「何をしているか」ではなく、「なぜそうしているか」を書きます:

  • // ユーザーIDの重複を避けるため、UUIDを使用
  • // API応答が遅い場合があるため、タイムアウトを設定

4. コーディング規約の統一

JavaScriptであれば「Prettier」や「ESLint」などのツールを使用して、自動的にコード形式を統一します。

ポートフォリオに「コード品質ツールを使用している」という痕跡があると、採用担当者は「この人は実務的な開発環境を理解している」と判断します。

NG例5:パフォーマンスを全く考慮していない実装

さらに多いNG例が、「パフォーマンスを考慮していない」というパターンです。

具体的には:

  • 不要なAPI呼び出しを何度も実行している
  • 大量のデータを一度にメモリに読み込んでいる
  • 画像が最適化されていない(数MBの大きさのまま)
  • データベースクエリが非効率(N+1問題など)
  • キャッシュを使用していない

採用担当者が感じる印象:「スケーラビリティを考慮していない。ユーザー数が増えたら動かなくなるコード」

改善方法:実装段階でのパフォーマンス最適化

改善するには、以下のポイントを実装します:

1. APIコールの最適化

  • キャッシュを使用して、同じデータを何度も取得しない
  • ページネーション(一度に全データを取得しない)を実装
  • 不要なフィールドを取得しない(APIのパラメータで指定)

2. データベースクエリの最適化

  • JOINを使用して、複数回のクエリを1回にまとめる
  • インデックスを適切に設定
  • クエリの実行計画を確認

3. フロントエンドのパフォーマンス改善

  • 画像の圧縮(WebPフォーマットの使用など)
  • 遅延ロード(Lazy Loading)の実装
  • バンドルサイズの削減

4. パフォーマンス測定

ポートフォリオのREADMEに以下の情報を記載すると、採用担当者に好印象を与えます:

  • ページの読み込み時間
  • API応答時間
  • Lighthouse(Google提供のパフォーマンス測定ツール)のスコア

ポートフォリオのNG例:ドキュメント・プレゼンテーション

NG例6:READMEやドキュメントがない、または不十分

実装と同じくらい重要なのが、「ドキュメント」です。多くの未経験者が、コードだけを提出して、説明がないというNG例に陥ります。

具体的には:

  • READMEファイルがない
  • READMEがあっても、「使い方」だけで、「技術的な工夫」が説明されていない
  • セットアップ方法が不明確で、採用担当者が動かせない
  • スクリーンショットがない
  • 技術スタックが明記されていない

採用担当者が感じる印象:「このアプリケーションは、動かすのに手間がかかる。どんな工夫があるのか理解できない」

実務では、「コード+ドキュメント」がセットです。ドキュメントなしのコードは、保守が困難で、チーム開発には向きません。

改善方法:採用担当者が理解できるドキュメント作成

改善するには、以下の構成のREADMEを作成します:

1. プロジェクト概要

最初の段落で、以下を明記:

  • アプリケーション名
  • 何を解決するアプリケーションか(1~2文)
  • 使用技術(言語、フレームワーク、データベースなど)
  • デプロイ先(Heroku、Vercelなど、実際に動作確認できるURL)

2. 機能一覧

実装した機能を箇条書きで列挙:

  • ユーザー認証機能
  • データの検索・フィルタリング機能
  • リアルタイム通知機能

3. 技術的な工夫・学習ポイント

ここが最も重要です。採用担当者が見たいのは、「この人は何を学んだのか」です:

  • 「認証機能の実装にJWT(JSON Web Token)を使用し、トークンの有効期限管理を実装した」
  • 「データベースクエリをN+1問題を避けるように最適化した」
  • 「テストコードを書くことで、バグを事前に検出できることを学んだ」
  • 「非同期処理(async/await)を使用して、複数のAPI呼び出しを効率化した」

4. セットアップ方法

採用担当者が実際に動かせるように、詳細な手順を記載:

  • 必要な環境(Node.jsのバージョンなど)
  • インストール方法(npm install など)
  • 環境変数の設定方法
  • データベースのセットアップ
  • 起動コマンド

5. スクリーンショット

実際の画面を複数枚用意:

  • トップページ
  • 主要な機能の画面
  • レスポンシブデザイン対応の場合は、スマートフォン版も

6. 今後の改善予定

「このアプリケーションをさらに良くするために、今後こういった機能を追加したい」という記載があると、採用担当者は「この人は学習意欲がある」と判断します:

  • 「フロントエンドをReactからVueに移行し、パフォーマンスを改善する」
  • 「管理画面を追加して、ユーザーの統計情報を可視化する」

NG例7:ポートフォリオサイト自体の品質が低い

ポートフォリオを「GitHubのリポジトリ」だけで提出している場合、もう一つのNG例が「ポートフォリオサイト自体の品質」です。

具体的には:

  • ポートフォリオサイトが存在しない(GitHubだけ)
  • サイトがあっても、デザインが素人っぽい
  • ページの読み込みが遅い
  • レスポンシブデザイン対応していない
  • アプリケーションへのリンクが動作しない

採用担当者が感じる印象:「このサイトを見ると、フロントエンドのスキルが低そう。デザインセンスもない」

改善方法:プロフェッショナルなポートフォリオサイトの構築

改善するには、以下のポイントでポートフォリオサイトを構築します:

1. 構成

  • プロフィール(簡潔な自己紹介、スキル)
  • プロジェクト一覧(作成したアプリケーション)
  • 各プロジェクトの詳細ページ(スクリーンショット、説明、技術スタック)
  • 連絡先(メール、LinkedIn、GitHubなど)

2. デザイン

  • シンプルで読みやすいデザイン(過度な装飾は避ける)
  • 統一した配色(3~4色程度)
  • 十分な余白(詰め込みすぎない)
  • フォントの選択(可読性を重視)

3. パフォーマンス

  • ページの読み込み時間を3秒以内に(Lighthouseで80点以上)
  • 画像の最適化
  • 不要なライブラリの削除

4. レスポンシブデザイン

  • スマートフォン、タブレット、デスクトップで適切に表示
  • タッチデバイスでの操作性を確認

5. アクセシビリティ

  • 色覚異常の人でも見やすい配色
  • スクリーンリーダーで読める構造
  • キーボード操作のみで全機能を利用可能

ポートフォリオサイト自体が「あなたのスキルの証明」になります。デザインとコードの両面で品質を高めることが重要です。

ポートフォリオのNG例:セキュリティ・信頼性

NG例8:セキュリティ対策が不十分

実装品質と同じくらい重要なのが、「セキュリティ」です。多くの未経験者が、セキュリティを考慮していないというNG例に陥ります。

具体的には:

  • SQLインジェクション対策がない
  • クロスサイトスクリプティング(XSS)対策がない
  • パスワードが平文で保存されている
  • APIキーがコードに埋め込まれている(GitHubに公開)
  • HTTPS対応していない
  • CSRF対策がない

採用担当者が感じる印象:「セキュリティを意識していない。本番環境では使えないコード」

実務では、セキュリティは必須です。ユーザーデータを扱う場合、セキュリティ対策なしのアプリケーションは許されません。

改善方法:基本的なセキュリティ対策の実装

改善するには、以下のセキュリティ対策を実装します:

1. SQL インジェクション対策

悪い例:

  • const query = “SELECT * FROM users WHERE email = ‘” + email + “‘”;

良い例(プリペアドステートメント使用):

  • const query = “SELECT * FROM users WHERE email = ?”;
  • db.query(query, [email]);

2. XSS対策

ユーザー入力を画面に表示する際は、エスケープ処理を行う:

  • JavaScriptの場合:textContent を使用(innerHTMLは避ける)
  • Reactの場合:自動的にエスケープされる

3. パスワード保護

  • パスワードをハッシュ化(bcryptなどを使用)
  • ソルトを追加
  • ハッシュ化されたパスワードのみをデータベースに保存

4. 環境変数の管理

  • APIキー、データベース接続情報は環境変数で管理
  • .envファイルを.gitignoreに追加(GitHubに公開しない)
  • ポートフォリオのREADMEに「環境変数の設定方法」を記載

5. HTTPS対応

  • 本番環境ではHTTPSを使用(Heroku、Vercelなどは自動対応)
  • HTTP→HTTPSへのリダイレクト設定

6. CSRF対策

  • フォーム送信時にCSRFトークンを使用
  • トークンをサーバーで検証

ポートフォリオのREADMEに「セキュリティ対策」という項目を追加し、実装したセキュリティ対策を記載すると、採用担当者は「この人はセキュリティを意識している」と判断します。

NG例9:デプロイされていない、または動作確認ができない

次のNG例が、「アプリケーションがデプロイされていない」というパターンです。

採用担当者は、GitHubのコードを見るだけでなく、「実際に動作するアプリケーション」を確認したいと考えます。

具体的なNG例:

  • GitHubのリポジトリだけで、実際に動作するURLがない
  • URLがあっても、「ローカル環境でのみ動作」という状態
  • デプロイされているが、エラーが出ている
  • デプロイされているが、セットアップが複雑で動作確認に時間がかかる

採用担当者が感じる印象:「デプロイ経験がない。本番環境での開発スキルがない」

改善方法:簡単にデプロイできるプラットフォームの選択

改善するには、以下のプラットフォームにデプロイします:

1. フロントエンドのデプロイ

  • Vercel:Next.js、React、Vue.jsなど多くのフレームワークに対応。無料で高速。
  • Netlify:静的サイト、SPA向け。GitHubとの連携が簡単。
  • GitHub Pages:静的サイト向け。無料。

2. バックエンド+フロントエンドのデプロイ

  • Heroku:Node.js、Python、Ruby など多言語対応。無料プランあり(ただし、2022年11月より無料プラン廃止)。
  • Railway:Herokuの代替として人気。無料クレジットあり。
  • Render:フリープランで簡単にデプロイ可能。
  • Fly.io:無料プランで複数のアプリケーションをデプロイ可能。

3. データベースのデプロイ

  • MongoDB Atlas:クラウドベースのMongoDB。無料プランあり。
  • Supabase:PostgreSQLのクラウドサービス。無料プランあり。
  • Firebase:Googleが提供。リアルタイムデータベース、認証機能など充実。無料プランあり。

重要なのは、「採用担当者が、ブラウザでURLにアクセスするだけでアプリケーションが動作する」という状態です。セットアップが必要な場合、多くの採用担当者は動作確認をスキップしてしまいます。

ポートフォリオのNG例:GitHub管理

NG例10:GitHubのコミット履歴が不自然

採用担当者は、GitHubのコミット履歴からも「開発プロセス」を読み取ります。多くの未経験者が、不自然なコミット履歴というNG例に陥ります。

具体的には:

  • 数千行のコードが1つのコミットで追加されている
  • コミットメッセージが「update」「fix」など意味不明
  • コミット間隔が不規則(1ヶ月何もなく、急に大量コミット)
  • ブランチを使用していない(全てmainブランチ)
  • プルリクエスト(PR)の履歴がない

採用担当者が感じる印象:「開発プロセスを理解していない。チーム開発の経験がなさそう」

実務では、「小さな変更を何度もコミット」「意味のあるコミットメッセージ」「ブランチを使った開発」が当たり前です。

改善方法:実務的なGit管理

改善するには、以下のプラクティスを実践します:

1. 細かいコミットを心がける

1つのコミットは、1つの機能追加または1つのバグ修正とします:

  • 「ユーザー認証機能を実装」→ 複数のコミットに分割
  • 「ログイン画面の実装」
  • 「パスワードハッシュ化の実装」
  • 「セッション管理の実装」

2. 意味のあるコミットメッセージ

悪い例:

  • 「update」
  • 「fix」
  • 「add code」

良い例:

  • 「feat: ユーザー認証機能を実装(JWT使用)」
  • 「fix: APIレスポンスのバリデーションエラーを修正」
  • 「refactor: ユーザー管理の関数を整理」
  • 「docs: READMEにセットアップ手順を追加」

コミットメッセージの形式としては「Conventional Commits」を使用すると、採用担当者に好印象を与えます。

3. ブランチを使った開発

新機能追加時には、mainブランチから新しいブランチを作成:

  • feature/user-authentication
  • bugfix/api-validation-error
  • refactor/database-query-optimization

開発完了後、プルリクエスト(PR)を作成し、レビュー後にmainブランチにマージします。

4. プルリクエストのコメント

PRには以下の情報を記載:

  • 何を実装したのか
  • なぜそう実装したのか
  • テスト方法
  • 関連する課題番号(Issue)

ポートフォリオのコミット履歴から「この人は実務的な開発プロセスを理解している」という印象を与えることができます。

NG例11:READMEがない、または.gitignoreが不適切

もう一つのGitHub管理のNG例が、「リポジトリの設定が不適切」というパターンです。

具体的には:

  • README.mdファイルがない
  • .gitignoreがない、または不適切(node_modulesやAPIキーがコミットされている)
  • ライセンスファイルがない
  • リポジトリの説明(Description)が空白
  • Topicsが設定されていない

採用担当者が感じる印象:「このリポジトリは、プロフェッショナルに管理されていない」

改善方法:プロフェッショナルなリポジトリ設定

改善するには、以下の設定を行います:

1. README.md

前のセクションで説明した通り、充実したREADMEを作成します。

2. .gitignore

言語やフレームワークに応じて、以下をリポジトリにコミットしない:

  • node_modules/
  • .env(環境変数)
  • *.log(ログファイル)
  • .DS_Store(macOSのシステムファイル)
  • build/、dist/(ビルド成果物)

GitHub上で「gitignore templates」を検索すると、言語別のテンプレートが提供されています。

3. LICENSE(ライセンスファイル)

ポートフォリオであれば、「MIT License」「Apache 2.0」など一般的なライセンスを選択します。

GitHubのリポジトリ作成時に、「Add a license」から選択できます。

4. リポジトリの説明とTopics

GitHubの設定で:

  • Description:「営業活動管理アプリケーション。Node.js + React + PostgreSQLで実装」など、簡潔な説明
  • Topics:「javascript」「react」「nodejs」「postgresql」など、技術スタックを記載

これにより、採用担当者が検索時にリポジトリを見つけやすくなります。

プログラミングスクール選びとポートフォリオ品質の関係

ポートフォリオ指導が充実しているスクールの特徴

ここまで、ポートフォリオのNG例と改善方法を詳しく説明してきました。しかし、実際にこれらの改善を実施するには、スクールのサポートが重要です。

ポートフォリオ指導が充実しているスクールの特徴は、以下の通りです:

  • 企画段階からのサポート:「どんなアプリケーションを作るべきか」という相談から始まる
  • 定期的なレビュー:実装中に複数回、コードレビューを受ける
  • セキュリティ・パフォーマンス指導:実装品質を高めるための具体的なアドバイス
  • ドキュメント作成支援:READMEやポートフォリオサイトの作成をサポート
  • デプロイ支援:実際にアプリケーションを公開するまでサポート
  • 転職活動でのポートフォリオ活用:面接でポートフォリオについて聞かれたときの回答方法をアドバイス

スクール選びの際は、「ポートフォリオ指導がどの程度充実しているか」を確認することが重要です。

各スクールのポートフォリオ指導の比較

提携スクールのポートフォリオ指導を比較すると、以下のような特徴があります:

スクール名 企画サポート コードレビュー デプロイサポート ポートフォリオサイト制作 転職サポート連携
侍エンジニア
CodeCamp
DMM WEBCAMPエンジニア転職
RUNTEQ
TechClipsエージェント

※ ◎:充実している、○:ある程度サポート、△:限定的、×:なし

注目すべき点は以下の通りです:

  • 侍エンジニア、DMM WEBCAMPエンジニア転職、RUNTEQ:ポートフォリオ作成から転職活動までの全プロセスをサポート
  • CodeCamp:コードレビューは充実しているが、ポートフォリオサイト制作や転職サポートは限定的
  • TechClipsエージェント:転職エージェントとしての強みがあり、スクール卒業後の転職活動に強い
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スクール選びのポイント:ポートフォリオ指導を中心に

企画段階でのサポートが重要な理由

ポートフォリオの成功は、「何を作るか」という企画段階で大きく左右されます。

スクール選びの際は、以下の点を確認しましょう:

  • 「自分でテーマを決めるのか、スクール側で提案されるのか」
  • 「企画段階で何回相談できるのか」
  • 「業界トレンドや市場ニーズを踏まえたアドバイスをもらえるのか」

特に、28~35歳で非IT職からの転職を目指す場合、「前職の経験をどう活かすか」という視点が重要です。スクール側が、あなたの経歴を理解した上で企画をサポートしてくれるかどうかを確認しましょう。

コードレビューの頻度と質

ポートフォリオのNG例を避けるには、定期的なコードレビューが不可欠です。

スクール選びの際は、以下を確認しましょう:

  • 「実装中、何回コードレビューを受けられるのか」
  • 「コードレビューは講師が行うのか、それとも自動ツールか」
  • 「セキュリティやパフォーマンスについても指導を受けられるのか」
  • 「修正後の再レビューまで対応してくれるのか」

できれば、「複数回のレビュー」「講師による詳細なフィードバック」「修正後の再レビュー」という流れが理想的です。

転職活動との連携

ポートフォリオは、転職活動の面接で必ず話題になります。スクール選びの際は、以下を確認しましょう:

  • 「ポートフォリオについて面接で聞かれたときの対策をしてくれるか」
  • 「企業の採用担当者からのフィードバックを、ポートフォリオ改善に活かせるか」
  • 「転職エージェントと連携して、ポートフォリオの評価を確認できるか」

これらのサポートがあると、転職活動を有利に進められます。

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ポートフォリオ作成の実践的なタイムライン

スクール受講期間中のポートフォリオ作成計画

ポートフォリオ作成は、スクール受講期間中から始めることが重要です。一般的なタイムラインは以下の通りです:

スクール受講開始~3ヶ月目:基礎学習 + 企画

  • HTML/CSS、JavaScriptなどの基礎を学習
  • 同時に、ポートフォリオのテーマを企画
  • 「何を作るのか」「なぜそれを作るのか」を明確にする

4~5ヶ月目:実装 + 定期レビュー

  • 企画に基づいて実装を開始
  • 2週間に1回程度、コードレビューを受ける
  • フィードバックに基づいて、修正・改善

6ヶ月目:品質向上 + デプロイ

  • エラーハンドリング、パフォーマンス最適化を実施
  • セキュリティ対策を確認
  • 本番環境にデプロイ

7ヶ月目:ドキュメント作成 + ポートフォリオサイト

  • READMEを作成
  • ポートフォリオサイトを構築
  • スクリーンショット、デモ動画を用意

8ヶ月目以降:転職活動

  • 完成したポートフォリオを持って、転職活動を開始
  • 企業からのフィードバックに基づいて、さらに改善(必要に応じて)

この流れであれば、スクール卒業時には「採用担当者に評価されるポートフォリオ」が完成している状態になります。

スクール卒業後の改善と転職活動

スクール卒業後も、ポートフォリオの改善は続きます。

  • 企業面接でのフィードバック:「この機能をどう実装したのか」という質問から、改善点が見える場合がある
  • 他の卒業生のポートフォリオとの比較:スクール内で情報交換をして、改善のヒントを得る
  • トレンド技術の習得:新しい技術を学んで、ポートフォリオに取り入れる(例:TypeScriptの導入など)

ポートフォリオは「完成」ではなく、「継続的に改善する」という姿勢が重要です。

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ポートフォリオを活かした転職活動のコツ

面接でのポートフォリオの説明方法

採用担当者は、ポートフォリオについて必ず質問します。その際の説明方法が、採用可否を大きく左右します。

良い説明の例:

「このアプリケーションは、前職で営業として働く中で、営業活動の進捗管理に時間がかかっていたという課題に気づきました。そこで、営業活動の進捗を可視化し、効率化するアプリケーションを作成しました。

技術的には、フロントエンドにReactを、バックエンドにNode.jsを使用し、データベースはPostgreSQLを採用しました。特に工夫した点は、複数の営業担当者がリアルタイムで情報を共有できるように、WebSocketを使用してリアルタイム通知機能を実装したことです。

また、セキュリティを意識して、JWTを使用したトークンベースの認証を実装し、パスワードはbcryptでハッシュ化しています。テストコードも書いており、ユニットテストで関数の動作を検証しています。」

この説明が良い理由:

  • 「なぜこれを作ったのか」が明確(課題解決の視点)
  • 技術選択の理由が説明されている
  • 実装上の工夫が具体的
  • セキュリティやテストへの配慮が見える
  • 実務的な思考プロセスが伝わる

複数のポートフォリオを持つ戦略

転職活動を有利に進めるには、「複数のポートフォリオ」を持つことが有効です。

例えば:

  • ポートフォリオ1:フロントエンド中心のアプリケーション(Reactの実装スキルをアピール)
  • ポートフォリオ2:バックエンド中心のアプリケーション(APIサーバーの実装スキルをアピール)
  • ポートフォリオ3:フルスタック(企画から実装、デプロイまで全てをアピール)

企業の求人内容に応じて、「このポートフォリオをメインで説明する」という戦略が取れます。

ただし、品質の低いポートフォリオを複数持つより、「品質の高いポートフォリオ1つ」の方が評価されます。

ポートフォリオの継続的な改善と転職活動の関係

内定を獲得できない場合、ポートフォリオの改善は重要な施策です。

スクール側や転職エージェントから、以下のようなフィードバックを受けることがあります:

  • 「企業から『実装の詳細について説明できるか』という質問が多い」→ コード品質の改善が必要
  • 「企業から『なぜこの技術を選んだのか』という質問が多い」→ 技術選択の背景をREADMEに記載
  • 「複数の企業から『デプロイ経験はあるか』という質問」→ 本番環境での運用経験を追加

こうしたフィードバックを受けて、ポートフォリオを改善し、再度応募することで、内定の可能性が高まります。

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まとめ:ポートフォリオのNG例を避けて、転職成功を目指す

本記事では、プログラミング未経験から転職を目指す方が陥りやすい、ポートフォリオのNG例を11パターン紹介しました。

ポートフォリオのNG例の要点:

  • 企画段階:スクール教材そのまま、市場ニーズを無視した企画は避ける
  • 実装品質:エラーハンドリング、可読性、パフォーマンス、セキュリティを重視
  • ドキュメント:充実したREADME、プロフェッショナルなポートフォリオサイトが必須
  • デプロイ:実際に動作するURLを用意し、採用担当者が動作確認できる状態に
  • GitHub管理:細かいコミット、意味のあるメッセージ、ブランチ管理を実践

これらのNG例を避け、改善方法を実践することで、採用担当者に「この人なら一緒に働きたい」と思わせるポートフォリオが完成します。

ただし、これらを全て自分で実施するのは難しいというのが現実です。だからこそ、スクール選びが重要になります。

企画から実装、デプロイ、転職活動までをトータルでサポートしてくれるスクールを選ぶことで、「採用担当者に評価されるポートフォリオ」を確実に作成できます。

28~35歳で非IT職から転職を目指す場合、時間的な制約がある中での学習になります。スクールのサポートを最大限に活用して、効率的にポートフォリオを完成させることが、転職成功の鍵となります。

次のステップとして、以下の行動をお勧めします:

  • 複数のスクールの無料カウンセリングを受けて、ポートフォリオ指導の内容を確認
  • スクール卒業生のポートフォリオを見て、「どのレベルを目指すのか」を理解
  • 自分の経歴や興味を踏まえて、「どんなポートフォリオを作るのか」を企画

正しい知識と適切なスクール選びで、あなたの転職活動は大きく成功する確率が高まります。ぜひ、本記事の内容を参考に、プログラミング学習と転職活動を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q1: ポートフォリオは何個必要ですか?

ポートフォリオは、最低でも「1つの完成度の高いアプリケーション」を持つことをお勧めします。転職活動では、複数のポートフォリオより、「1つの高品質なポートフォリオ」が評価される傾向があります。ただし、転職活動が進まない場合や、異なるスキルをアピールしたい場合は、複数のポートフォリオを用意するのも戦略の一つです。重要なのは「数」ではなく「品質」です。

Q2: スクール教材のアプリケーションをポートフォリオにしてもいいですか?

スクール教材そのままのアプリケーションは、採用担当者に悪印象を与える可能性が高いです。ただし、教材をベースに「大幅な機能追加」「テーマの工夫」「実装の最適化」を加えれば、ポートフォリオとして活用できます。重要なのは、「スクール教材+自分の工夫」という構成が明確に見えることです。

Q3: ポートフォリオに何を書くべきですか?

ポートフォリオのREADMEには、以下を記載しましょう:(1)プロジェクト概要と使用技術、(2)実装した機能一覧、(3)技術的な工夫・学習ポイント、(4)セットアップ方法、(5)スクリーンショット、(6)今後の改善予定。採用担当者は、「このアプリケーションを通じて、あなたが何を学んだのか」を知りたいと考えています。

Q4: ポートフォリオでセキュリティ対策は必須ですか?

セキュリティ対策は、本番環境で動作するアプリケーションであれば、ほぼ必須と考えましょう。採用担当者は、「セキュリティを意識しているか」を重要な評価ポイントとしています。最低限、パスワードのハッシュ化、環境変数の管理、SQLインジェクション対策、XSS対策は実装すべきです。

Q5: ポートフォリオが完成するまでにどのくらい時間がかかりますか?

スクール受講期間(3~6ヶ月)を通じて、ポートフォリオを作成するのが一般的です。企画に1ヶ月、実装に2~3ヶ月、品質向上・デプロイに1ヶ月、ドキュメント作成に2~3週間というペースが目安です。ただし、個人差があり、実装スキルが高い場合は短縮できます。スクール選びの際は、「ポートフォリオ作成にどのくらい時間を確保できるのか」を確認しましょう。

Q6: 転職活動が進まない場合、ポートフォリオを修正すべきですか?

はい、転職活動が進まない場合は、ポートフォリオの修正を検討しましょう。スクールの転職サポートや転職エージェントから、「どの部分が評価されていないのか」というフィードバックを受けることができます。その情報に基づいて、ポートフォリオを改善することで、内定の可能性が高まります。

Q7: ポートフォリオサイトは必要ですか?GitHubだけでいいですか?

ポートフォリオサイトがあると、採用担当者に「フロントエンドのスキル」「デザインセンス」をアピールできるため、あった方が有利です。ただし、GitHubのリポジトリだけでも、十分なドキュメント(README)があれば、評価される可能性はあります。理想的には、「ポートフォリオサイト+GitHubリポジトリ」の両方を用意することをお勧めします。

Q8: 未経験からの転職で、ポートフォリオはどのくらい重要ですか?

未経験からの転職では、ポートフォリオの重要度は非常に高いです。採用担当者は、あなたの実務経験がないため、ポートフォリオから「スキル」「学習能力」「実務的な思考」を判断します。ポートフォリオの品質が高いほど、内定の確率が大幅に上がります。転職成功を目指すなら、ポートフォリオ作成に十分な時間を確保することが重要です。

Q9: ポートフォリオのテーマは、自分の興味で決めてもいいですか?

自分の興味を反映させることは重要ですが、「市場ニーズ」「採用企業が求めるスキル」も考慮すべきです。例えば、Web開発職への転職を目指すなら、「ゲーム」より「Webアプリケーション」の方が評価されやすいです。スクールのキャリアサポートと相談しながら、「自分の興味」と「市場ニーズ」のバランスを取ったテーマを選択しましょう。

Q10: スクール卒業後、ポートフォリオを更新し続けるべきですか?

転職後も、ポートフォリオを更新することをお勧めします。実務で学んだ新しい技術や知識を取り入れることで、「継続的に学習している」という姿勢をアピールできます。また、キャリアチェンジを考える際に、「最新のスキル」を示すポートフォリオがあると、転職活動が有利になります。

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